子どもの自立を奪う親、育てる親の決定的な違い

子どもの自立を奪う親、育てる親の決定的な違い

「子どもには幸せになってほしい」
「できるだけ苦労せず、自分に合った道を歩んでほしい」

そう願うのは、親としてごく自然な気持ちです。
だからこそ、つい言いたくなってしまいますよね。

「こうしたほうがいいよ」
「その道はやめたほうがいいんじゃない?」
「お母さんの言う通りにすれば大丈夫だから」

もちろん悪気なんてありません。すべて「子どものため」を思ってのことです。

でも、実はその「子どものため」という優しさが、かえって子の自立を奪ってしまうことがあります。

子どもの自立を妨げてしまう親の共通点

子どもの自立を阻んでしまう親には、ひとつ大きな共通点があります。
それは、「子どもの問題」を「自分の問題」にしてしまうことです。

  • 学校へ行くかどうか
  • 日々ちゃんと勉強するか
  • どの進路・受験校を選ぶか
  • どんな仕事に就くか
  • 失敗したあと、どうやって立ち直るか

これらは本来、子ども自身が向き合い、自分で決めていくべきテーマです。

ところが、子どもが悩んでいたり失敗しそうになっていたりすると、親はヒヤヒヤして黙っていられません。

先回りして答えを教え、トラブルが起きないよう環境を整え、傷つかない道へ導こうとしてしまいます。

ですが、親が先回りして問題を解決すればするほど、子どもは「自分で考える機会」を失います。自分で決める経験も、転んだあとに自力で立ち上がる経験もできません。

その結果、いつまでも「どうすればいい?」「お父さん(お母さん)が決めて」「失敗したら怖いからやめておく」と、親の判断に依存するようになってしまうのです。

「頼らないこと」が自立ではない

そもそも自立とは、誰にも頼らず一人で完璧に生きることではありません。

本当の自立とは、「自分の人生を、自分で選ぶこと」です。
必要なときは人に相談する。困ったら助けを求める。
でも最後は自分で決め、その結果を自分で受け止める。

これが自立です。

いくら親が決めた優秀な学校に進み、親が勧めた安定した仕事に就いたとしても、それは「自立させられた」だけであって、本当の意味で自立したとは言えません。

子どもが自分の足で歩くためには、「自分で選んだ」という実感が不可欠なのです。

自立できる子を育てる親のスタンス

子どもの自立を促せる親は、決して放置しているわけではありません。
困っている子どもに対して、こう声をかけて「待つ」ことができます。

「何か手伝えることがあったら、いつでも言ってね」

そして、子どもが自発的に助けを求めてくるまで、グッとこらえて待ちます。これがとても大切です。

多くの親は、子どもが困っている様子を見ると「失敗させたくない」「後悔させたくない」という一心で、頼まれてもいないのに手を差し伸べてしまいます。

しかしそれは、裏を返せば「あなた一人では解決できないでしょ」というメッセージとして子どもに伝わってしまうことがあります。
反対に、親がぐっとこらえて待つ姿は、

「あなたなら自分で考えられる」
「あなたなら乗り越えられる」
「本当に困ったときは、いつでも助けるからね」

という、強い信頼のメッセージになるのです。

「心配」の裏にある自分の不安に気づく

親が子どもを心配するのは、愛しているからこそ。
けれど、その「心配」の裏側には、無意識のうちにこんな気持ちが隠れていることがあります。

  • 「この子にはまだ無理かもしれない」
  • 「また間違えるんじゃないか」
  • 「私が守ってあげなきゃダメだ」

心配すること自体は親として当然ですし、決して悪いことではありません。
大切なのは、「心配(自分の不安)のまま動かないこと」です。
子どもを見ていて不安になったときこそ、一呼吸置いて自分に問いかけてみてください。

  1. 「これは、誰の問題だろう?」
  2. 「今、子どもは助けを求めているだろうか?」
  3. 「子どものためと言いつつ、自分の安心のために口を出そうとしていないか?」

この問いを一つ挟むだけで、子どもとの接し方はガラリと変わり始めます。

まずは「口を出さずに話を聞く」

もちろん、親としての意見やアドバイスを伝えてはいけないわけではありません。重要なのは「順番」です。

最初にやるべきなのは、親の考えをかぶせることではなく、子どもの話をそのまま聞くこと。

途中で口を挟まず、否定もせず、「正しい答え」へ誘導しようともせず、最後までじっくり耳を傾けます。
そのうえで、こう伝えてみてください。

「お母さんはこう思うけれど、最終的に決めるのはあなたでいいんだよ」と。

親の意見は指示や命令ではなく、子どもが人生を選ぶための「選択肢のひとつ」にすぎません。

「失敗する権利」を奪わない

子どもが自立していく過程で、成功体験と同じくらい重要なのが「失敗体験」です。

時には間違った選択をして後悔することもありますし、思うような結果が出ずに落ち込むこともあるでしょう。親にとって、我が子のそんな姿を見るのは胸が痛むものです。

ですが、失敗したときに「だから言ったでしょう!」と責められるのか、それとも「大丈夫。ここからどうするか一緒に考えよう」と受け止めてもらえるかで、子の成長は大きく変わります。

失敗は人生の終わりではありません。
「失敗したけれど、自分で考えて立て直せた」という経験こそが、将来を生き抜く本当の強さ(自己効力感)になります。

親の役割は、レールを敷くことではない

親の役割は、子どもの目の前にきれいに整備されたレールを敷くことではありません。
子どもが自分の力で道を選び取れるよう、「安全基地」で居続けることです。

  • 迷ったときは話を聞く。
  • 助けを求められたら手を貸す。
  • 転んでも戻ってこられる温かい場所をつくっておく。
  • そして何より、「あなたなら大丈夫」と信じ続けること。

子どもの自立を育てる親と、知らず知らずのうちに奪ってしまう親。
その違いは「どれだけ手厚く世話をしたか」ではなく、「どれだけ子の力を信じて待てたか」にかかっています。

信じて待つことは、決して何もしない放任ではありません。
親にしかできない、もっとも勇気のいる「愛のかたち」なのです。

コメント


認証コード1385

コメントは管理者の承認後に表示されます。