我慢するほど、夫婦は壊れていく
愛と自己犠牲を間違えないために

- 夫婦なのだから、少しくらい我慢は必要だ。
- 相手が喜ぶなら、自分の気持ちは後回しにするべき。
- なるべく相手に合わせ、穏やかに支え続ける。
今まで、
こんな人こそ、よい妻、よい夫だと
思われてきたかも知れません。
しかし、本当にそうでしょうか。
実は、
夫婦関係を壊してしまう原因のひとつが、
この自己犠牲なのです。
自己犠牲は、愛のように見える
自己犠牲は、
最初は愛のように見えます。
- 本当は疲れているけれど、相手のために家事をする。
- 本当は行きたくないけれど、機嫌を悪くされたくないから付き合う。
- 本当は傷ついているけれど、争いを避けるために黙っている。
その場では、
夫婦関係がうまくいっているように見えます。
けれど、
心の中では少しずつ、
不満が積み重なっていきます。
「どうして私ばかり」
「こんなに頑張っているのに」
「あなたは何もわかってくれない」
やがて、その気持ちは、
怒りや冷たさ、
諦めとなって表れます。
言わなかった気持ちは、消えない
我慢すれば、
問題がなくなるわけではありません。
言葉にしなかった気持ちは、
心の奥へ隠れるだけです。
つまり、
「言わないこと」は、
優しさとは限りません。
- 黙ったまま不機嫌になる。
- 我慢した末に突然爆発する。
- 何も言わず、心を閉ざす。
そのほうが、
結果的にお互いを深く傷つけてしまう可能性があるのです。
相手に合わせ続けると、自分が消えていく
夫婦は、
何でも一緒にすることが、
仲のよさだと思いがちです。
趣味も、
友人も、
休日の過ごし方も、
すべて相手に合わせる。
しかし、それを続けていると、
少しずつ自分の人生がなくなっていきます。
「私は何が好きなのだろう」
「本当はどうしたいのだろう」
「相手がいなければ、何をしていいかわからない」
そんな状態になってしまうことがあります。
夫婦は、
二人で一人になることではありません。
一人の人間と、
もう一人の人間が、
一緒に生きることです。
互いが自分の世界を持ち、
成長し続けることが、
夫婦関係への健全な刺激になるのです。
「ノー」と言えることが、本当の信頼
- 相手に嫌われたくない。
- 怒らせたくない。
- 悲しませたくない。
そう思うと、
つい「いいよ」と
答えてしまいたくなるかも知れません。
しかし、
「ノー」と言えない関係は、
本当に信頼し合っている関係でしょうか。
大切なのは、
相手を責めずに
自分の気持ちを伝えることです。
「今日は疲れているから、休みたい」
「その言い方をされると悲しい」
「私は、こうしたいと思っている」
「今は無理」
このように伝えることは、
決してわがままではなく、
自分にも相手にも誠実な態度です。
自己犠牲の裏には、見返りが隠れている
自己犠牲をしている人は、
「私は何も求めていません」
と言うでしょう。
しかし、心の奥では、
「これだけ我慢したのだから、わかってほしい」
「これだけ尽くしたのだから、愛してほしい」
「私と同じくらい、あなたも我慢してほしい」
と思っているのではないでしょうか。
もちろん、
それは人間らしい感情です。
人は誰でも、
大切にされたいし、
わかって欲しいと思うものです。
問題は、
その願いを言葉にせず、
自己犠牲という形で相手に差し出すことです。
相手は、
頼んでいない我慢には気づけません。
しかし、
気づかない相手を見て、
自己犠牲をした側は、さらに傷つくでしょう。
だからこそ、
我慢する前に、
自分の願いに気づくことが大切なのです。
愛とは、自分を消すことではない
夫婦関係における愛とは、
自分を消して、
相手の望みどおりになることではありません。
自分も大切にする。
相手も大切にする。
違いがあっても、
どちらか一方を犠牲にせず、
二人が納得できる場所を探していく。
それが、
夫婦で生きるということです。
幸せな夫婦は、
我慢しない夫婦ではありません。
必要な我慢と、
自分を壊す我慢を、
区別できる夫婦です。
夫婦関係を変える、小さな問い
何かを引き受ける前に、
少しだけ自分へ問いかけてみてください。
「私は、本当はどうしたい?」
「これは愛からしていること?」
「それとも、嫌われる怖さからしていること?」
「我慢せずに伝えるとしたら、何と言えばいい?」
すぐに上手に伝えられなくても大丈夫です。
まずは、
自分の本音を、
自分が聞いてあげることが最初の一歩です。
最後に
自分を大切にすることは、
相手を大切にしないことではありません。
- 自分の時間を持つことも、
- 「ノー」と言うことも、
- 自分の希望を伝えることも、
夫婦関係を壊す行為ではないのです。
むしろ、
自分を押し殺し続けることのほうが、
いつか二人の間に、
深い溝をつくってしまいます。
愛する人のために、
自分を犠牲にしないでください。
相手が本当にあなたを愛しているのなら、
あなたの犠牲を望まないはずです。
自分を失うほどの愛は、愛ではありません。
あなたを大切にできる関係こそ、本当の愛なのです。