子どものヤル気を奪う親の共通点

「どうして、うちの子はヤル気がないのでしょうか?」
そんな相談をよく受けます。
- 勉強しない。
- 学校へ行かない。
- 将来のことを考えない。
- 何を聞いても「別に」と答える。
その姿を見ていると、
「このままで大丈夫なの?」
と心配になりますよね。
だから親は、つい言ってしまいます。
「宿題は終わったの?」 「そろそろ勉強したら?」 「将来どうするつもり?」 「ちゃんと考えているの?」
もちろん、子どものためを思っての言葉です。
けれど、子どものヤル気を奪ってしまう親には、ある共通点があります。
それは、
子どもが動く前に、親が答えを出してしまうことです。
親の正しさが、子どものヤル気を奪う
子どもには、本来、
「自分で決めたい」
「自分でやってみたい」
という力があります。
ところが親から何度も、
「こうしなさい」
「それはやめたほうがいい」
「普通はこうするものだ」
と言われ続けると、子どもは少しずつ、自分で考えることをやめていきます。
何かをしようと思っても、
「お母さんは何と言うだろう」
「怒られないだろうか」
「正解はどれだろう」
と、親の顔色を確認するようになります。
自分の気持ちではなく、親の承認を基準に行動するようになるのです。
親の許可がないと動けない子になる
親の言うことをよく聞く子は、一見すると「いい子」に見えます。
反抗せず、失敗も少なく、親を困らせません。
けれど、その状態が長く続くと、
「自分がどうしたいのか分からない」
という問題が起こります。
- 親に褒められるから勉強する。
- 先生に怒られるから学校へ行く。
- 周囲を失望させないために頑張る。
このような外側から与えられた動機は、一時的には子どもを動かします。
しかし、長くは続きません。
なぜなら、それは子ども自身のヤル気ではないからです。
やがて心が疲れ、
「もう何もしたくない」
「どうでもいい」
「放っておいて」
となってしまうことがあります。
子どもが突然ヤル気を失ったのではありません。
自分で選ぶ機会を失い続けた結果、自分の中から湧いてくる力が分からなくなったのです。
心配するほど、親は先回りする
親が先回りしてしまう理由は、愛情がないからではありません。
むしろ、愛情が深いからです。
- 失敗してほしくない。
- 傷ついてほしくない。
- 将来、困ってほしくない。
だから、子どもが失敗する前に教えたくなります。
困る前に助けたくなります。
間違った道へ進む前に、正しい方向へ戻したくなります。
けれど、子どもは失敗しながら、自分の気持ちを知ります。
迷いながら、自分で選ぶ力を身につけます。
困った経験を通して、
「次はどうしよう」
と考えるようになります。
親が失敗をすべて取り除いてしまうと、子どもは自分の力を使う機会を失ってしまうのです。
ヤル気を取り戻すために必要なこと
子どものヤル気を取り戻すために、親がヤル気を出させる必要はありません。
必要なのは、
子どもが自分で決められる余白を残すことです。
「あなたはどうしたい?」
と尋ねる。
すぐに答えが出なくても待つ。
親の考えと違っても、まずは否定せずに聞く。
失敗しそうに見えても、命や健康に関わることでなければ見守る。
そして、困ったときには助けを求められる関係をつくる。
それだけで十分です。
「何もしない」は、見捨てることではない
親が口を出さずに待つことは、決して無責任ではありません。
子どもを信じるという、最も勇気のいる関わりです。
親が先回りをやめると、最初は子どもが何もしなくなったように見えることがあります。
それまで親に動かされていた子どもは、自分の気持ちが分かるまで時間がかかるからです。
その時間を待つことです。
何もしていないように見える時間にも、子どもの心の中では、
「本当はどうしたいのだろう」
という問いが少しずつ育っています。
親が手放すと、子どもは自分を取り戻す
子どものヤル気を奪う親の共通点は、
子どもを信じていないことではありません。
心配のあまり、子どもが自分で考え、選び、失敗する機会を奪ってしまうことです。
子どもを変えようとしなくて大丈夫です。
ヤル気を出させようとしなくて大丈夫です。
親がすべきことは、子どもの人生を動かすことではありません。
子どもの人生を、子どもに返すことです。
親が子どもの人生を手放したとき、
子どもは初めて、自分の足で人生を歩み始めるのです。